誠次さんが一番好きだ という幻想交響曲を1970年頃新宿厚生年金ホールに一緒に聞きに行った事がある。
ロジェストベンスキー という指揮者だった。
今日は 指揮 ハンスイェルク シェレンベルガー 新日本フィル。
細部まで丁寧に音がきちんとしていて 皆のめり込んで聞く様子が伝わってきた。
教会のベルの音が美しく自然で 隣にある教会の鐘の音が毎夕聞こえるパリのホテルが懐かしくなった。
小泉先生の 猟師の肉は腐らない を読む。
読売の書評に 読み終えるのが残念でたまらなかった とあった。
平らな紙面に 印刷されている活字が生命を持って 内容を 生き生きとした立体感とともに読み手に届けている。
久しぶりに心に染み入る一冊だった。
半紙 という同じ土俵での皆さんの作品をどう会場に並べるか、という、一番の楽しみであり 苦しみである 最終準備段階。
今回は今まで以上の実務的手助けをたくさんして頂いたので 大変楽にことがはかどるはずだった。
異 というタイトルにして、平安初期、日本人が異国 中国の書をそのままどん欲に吸収していたことから 多くの方達に 嵯峨天皇が書かれたとされる李きょう(漢字が見つかりません)の詩に取り組んで頂いた。
この日本人離れした というか 中国人そのものの横綱格書風に挑戦したのは無謀だったのでは と ずっと思わされた毎日だった。
いつもなら 皆の作品を整理して表具屋さんにお渡しした途端、私は明るくバンザイ三唱で楽しく次の計画を立てているところだが
今回は ’おとといおいで’ と拒否される事はなかったと思うが、私は今現在も ’肩で息をするのがやっとでまだリングに残っています’
という感じがしている。
という状態なので 今夜のイギリス大使館での大和日英基金25周年パーティー のこと、その後渋谷ひかりえでのファッションショーのことなどは またの機会に
思いがけず 蜩の記 の試写会に
落語も今はまず状況説明から と聞くが 時代劇も丁寧に 理詰めで 説明しながら 話が進む。
気になったのは 巫女さん4人の舞で そのうちの一人の身のこなしが 神様のためにでなく お客さん私に魅力を感じてね、という動きだったこと。指導者の関係者だったのかしらん。
絵付け ならぬ 字付けのため奈良へ
午前中 で終了、 窯元の近くの 白毫寺 と新薬師寺へ連れて行って頂いた。
萩が見頃の白毫寺から奈良盆地を見て 京に都を遷すまで この空間であちら こちらと遷都していたのだ と実感。
新薬師寺の十二神将、 自分の干支の大将が 左手をピッとまっすぐにあげた きりっとしていて華やかな姿なのが 誇らしい。
時間があったので 京都で知恩院さんにお参りに。平成の大改修 とかで迷路のようになっていた。
このお寺は 訪れる人たちにとても優しく おおらかな態度で接して下さる という印象がある。
広いからか 浄土宗 の体質か
何はともあれ 嬉しい事です。
11月25日から鳩居堂さんでの書作展 ”異” への出品作品、最後の追い込み、元気出し用、下見会を赤坂で。
暑く長い夏がすぎた頃から全員一生懸命に 急になって、
皆で集まってお互いの作品を見る、というのは 自分だけの問題 と思っていた事が 他の人たちと同じ悩みであった と解ったり、いろいろな角度からその問題を人事として冷静に見る事が出来るので ああそうなのか、 と思い当たる確率が増すことになる。
私はしゃべっりぱなしに喋り ちょっとここで五分休ませて と いただいた羊羹がのどを通ったあたりですぐ元気になりました。
なんという即効性
さあ この次のクラスに皆さんがどんな変わった作品を持っていらっしゃるか 楽しみ 楽しみ
映画の翻訳をなさっている方の推薦で マレフィセント に
余計なことには深くかかわらず 純なものに対する者も純になる という点に焦点を絞り 主役の気持ちが変わって行く様子をゆっくりと追ったので 大人が見ても という内容になったのではないかしらん。
それに 隔離 純粋培養されていた相手だったから ごちゃごちゃ がなかったのかも
と 結論を急いでいるのは 今 五目ご飯を作ったので いかが? という嬉しい連絡があったからです。
では いただきにいってまいります。
“テーブルにひじをついて食べません”と書いてあると聞いて、
ランスのルーブルでおみやげに買ったお皿。
幼稚園児全員に寄付したい感じ。
一日かけてランスに出来たルーブル美術館分館へ。
白、パール、灰色のムードの大きなカマボコ、トンネル状態の建物。
写真での案内通りの印象で、一渡りで全展示が見えるのだが、やはり数が少なく寂しい感じ。
主の建物とは別の場所でのきちんとしたレストランでの食事はどれも素晴らしく美味しくて、満足満足。
パリ ルーブルのこれでもかという重厚、重圧感は得難いものと納得。
ちなみに私のTシャツは“異”です。
二回あるお茶の時間。食べて、飲んで、書いて、食べて飲んで、書いて、の毎日です。
飲むのは勿論お酒ではありません。
イギリス ハイアムホールでのワークショップに参加いただいた生徒さんよりメッセージをいただいたので、ブログに載せたいと思います。
Dear Ransetsu
Learning Japanese calligraphy at Higham Hall with Ransetsu Ozawa is more
than just making marks with ink and a large paintbrush. We learned
different forms of calligraphy starting with Chinese characters, through
Katakana (like capitals) and Hiragana (more abbreviated) to a form of
script that feels more like more like scribbling.
Ransetsu is a lovely lady who has wonderful stories to tell of her
workshops with Saudi princes and Royal Academy of Arts members and her
Robert Burns exhibition in Edinburgh . She is also very knowledgeable
about the history of calligraphy in Japan and despite a tendency to
chatter in Japanese, she is an encouraging and interesting teacher. We
worked very hard for her and I went away with a portfolio of failed and
successful attempts to write my name and other words. I just wished it
was as easy as she makes it look. A lovely course and a delightful tutor.
Thank you Ransetsu and enjoy your week at Higham
best wishes
Kate
イギリスの立派な方から今いただいたメールに「あなたのチャーミングで興味深い手紙をありがとう…」とあったので、大昔、アメリカの医学会の大ボスと手紙のやりとりをしていて、「あなたの手紙は素晴らしいワインの様でいつも楽しみだ」と言われたことを今思い出した。
嬉しいけれど要するにひどい英語ということなのよ。
何でも好きなことをパラパラと書くのでニコニコしながら気楽に読んでくださる方もいるということ。
「ワーズワース美術館での書の展示の写真を見て私は泣いてしまった」と湖水地方出身のこの方の言葉が添えてあったのがとても嬉しかった。
ハイアムホールでの今年のクラスの数人は日本のうたを書きたいというので、まずは粘葉本のいろはから百人一首から解り易い秋の歌を選ぶ。三十七番文屋朝康。
英訳はインターネットで捜して、と言うと「白露を」となっていると言う。私の用意したおせんべ屋さんの小冊子は「白露に」となっている。
助けを日本の二人の優秀な同窓生に求めるとあっという間に「白露に」だと答えが返ってきた。素晴らしい。
昔、私がこれは危ないと思ったのは、逸勢の字を習っている時、パソコンで逸勢について書いてある文章を印刷して私に見せてくださった方がいらした。
何か自分のコンプレックスを相手が直に前にいないので安心して書く文章で晴らしているように受け取れたものがあった。
間違った、その人だけの想いを寄せられては困る。活字になっているといかにも正しそうに見えるのでもっと困る。その初めての経験以来、パソコン情報は眉につばして見るようになった。
昨日はハリエットさんの息子ヴェネディクトのオックスフォード卒業式だった。なんと一番で卒業したとか。子供の頃から知っているので、信じられない感じがする。
式のとき、校長先生が「皆さんがこうして元気に卒業、世に出られるのも、両親の支えがあってこそ。」と上の回廊にいる親達も感謝の意を持って見つめるようにうながしたという。悲しい離婚の後、十年ぶりに始めて前の夫と隣同士に座っていたハリエットさんは、涙が止まらず隣の元御主人とごく自然な気持ちで一緒にいられたことに自分でも驚いたと言っていた。
別れるに際し、憎しみの連鎖という無益な行動を慎んだお陰、と彼女は言った。ハリエットさんと私が知り合ってからの二十年ほどを振り返り感無量だった。
上手なシナリオ作家がいれば良い一篇が出来るなあと思った。
■ハリエットさん宅のお庭にて
リージェントパークでゆったり読書をしたり、美味しいケーキを食べたりと絵に描いたような優雅な時を過ごした後、車を拾える道になかなか出られず、随分あちらこちらと迷い歩き回ってしまった。
Googleマップを見ても公園内の看板を見ても You are here. しか理解できないというのは困ったものです。
着替えてザ・グローブに
駅の周囲も河岸の道も大変な人出。年会費を払い、買い物を。久しぶりに展示室にも。
ロンドンオリンピックの前の夏、ワーズワース美術館での展示の様子を示す写真を持って名を知った係りの人を訪ねたところ、オリンピックの年、野外巡回公演に同じ嗜好で私の作品を使えるかもしれないと言われた。
シェイクスピア作品を題材にした展覧会を現地でという夢を持っている私は、大喜び。
ワクワクした夢見心地の足取りで、橋を歩いて渡ったところで、教会の鐘が鳴り始めたのも何か吉報のようで、あの様に嬉しかったことはない。
その話は立ち消えになってしまったのだが、今日もその時と同じ橋を同じ様に通り、その時の天にも昇る心地を実感として思い出すことができた。
■リージェントパークにて
■ザ・グローブにて