昨日入手 今朝早くから午後4時半過ぎの今迄ルーブルをうろうろ
オペラをキョロキョロ歩いてホテルに帰ったのに全く大丈夫だった。
大当たり!
公園を横切り 廻り道をして エジンバラ城へ
公園では いろいろな音楽隊が お国柄 地方柄を
発揮して演奏していて 城の上迄聞こえてくる
イヤホンガイドが親切で「もっと知りたい人は 次の番号をどうぞ」
とどんどん進んでいく
最後の最後には「もっと知りたい人は おみやげ屋で専門書をどうぞ」
と案内された
日本でこれをやったら会場が人で一杯になってしまうだろう
この頃 日本の駅にしても 何にしても 案内も詳しく時間も正確なのは
そうしなければ多くの人が混乱 収拾がつかなくなるからだ
と思うようになってきた
日本人がきちんとしているのは人口が多いからなのだと
風の中を半日歩き廻りひどい有様
これを経験してから セントジョンズ教会でデモンストレーションを
していれば 違う風になっていた と思った
群馬で冬に吹く風は一方から強く吹いて 厳しいものだけれど
今日のこちらは 四方八方から吹いている感じがする
ハイアムホールでテレビを見るとは思わなかったが
BBCの新作ヘンリー五世を
以前 ケネス・ブラナー主演のものを見たことがある
チャールズ皇太子が 中の王のセリフを自分と例えたニュースを覚えている
今回の主役は 皇子の頃フォルスタッフ達と下世話な日々を共にしていた
感が希薄だが 王として周囲を説得する力があると思った
日本での字幕スーパー入り放送で 又ゆっくり楽しむことにしよう
お城の裏側には中国観光団のバスがずらっと並んでいたが
日本人には全く合わない
ワーズワース美術館のマグレガー館長さんも
オリンピックのせいか この夏は日本人観光客が来てくれないので
大変寂しいとメールを下さった
明日からパリだけれど 今年はどんなかしら
いつもの小さなホテルの近くにある教会の夕べの鐘を聞いて
ポーッとするために行っている様な気がする
※写真は教会前のポスター
ハイアムホールでの書のクラス
来年は七月二十八日から八月三日に決定
ずっとお世話になっていた アレックス氏が引退することになり
来年は新しい校長先生になる
八月のどれかの一週を 親族数十人で過ごすことにしているので
かち合わないようにしたいから
早く予定を知りたい という年長者もいる
五年目の今年 いつ迄この風景を楽しめるのかと
初めてしみじみとした想いで
周囲の山・緑・羊・古い校舎等を見廻した
皆さん来年一緒にいらっしゃいません?
ベトナムの書家二名の本やイギリスで出版された書の案内書等を見せてもらう
西洋のカリグラフィーに筆の跡を混ぜたもの
説明するのは上手でも字のひどいもの といろいろ
ベトナムでは文化上の断絶があり 書で師と言われる人は皆若く
五十才位の人が一番の年長とのこと
この二人の男性は美しい自分の写真を使い それこそ出来ることは
全てやって見せている
後に続く若い人達に興味を持ってもらう機会を作っている
という点で認めるべきだ というのがこちらの人たちの意見
野心がプンプン漂っている本だった
昨夕から眠気におそわれ 夜のクラスの前
大きい下敷きを膝に巻いて目をつぶっていた
後で聞いたところによると
一人が 私に気づき
「音をたてるな 時間まで部屋に入るな」と皆に言ったそうな
クラス三十分程で「私達は真面目に続けるから早くベッドに」と
今朝「普通は先生が生徒の面倒をみるのにこのクラスでは生徒が
先生の世話を焼く」と言われた
※写真はプレゼントされた花
八十に近い 毎年ロンドンから参加して下さる女性が
「私には子供がいない アイルランド系の父方のいとこしかいないので
母の遺品のこの本をあげたい」と革張りのポケット詩集を持ってきて下さった
手に馴染んだ バーンズの詩集は 彼女の母が 又 その前の時代の親から
もらったものという
クラスで 今回の展覧会で どの字を どのバーンズの詩に合わせて
私が書いたか を 写真を見ながら説明 スコットランドの発声で
詩を読んでもらっていると 皆が一緒に暗唱している
子供の頃から 私はあまり詩という分野が好きではなかったが
良いものだなあ としみじみ思う
そういえば 私の母はよく「みやこに雨のふる如く・・・」と言っていたっけ
一流大学を卒業 有名企業に就職が決まっているKちゃん
外国を見る良い機会 と一緒に来ている
旅行者の一学生では経験できないことをいろいろ体験できる
というのが 私からの プレゼント
と思い 観光は年をとってからできるのだからと一人で現地の人と
長い時間一緒に仕事をすることで過ごせるように計らった
どんどん英語にも慣れ こちらの人に対する態度も自然になってきた
総領事に「親子三人で来たのは 親孝行ですね」
といわれたKちゃんは
「大先生への恩返しだと思って来ました」と意外な答えを返した
幼児の時から 私の父に飛びついたり抱きついたりしながら
書を習っていた彼は 中学の時 私の父に別れたが
自分から進んで述べた弔辞に多くの人が涙を流した
そうか 普通の子供なら 若い者同士で 気楽に旅する方が良い
僕は後から とか 留守番を とか言って 年上の人達と
固苦しい(と想像されがちな)総領事との昼食会が予定に入っているような
旅を 初めての海外旅行には選ばないだろう
大先生が喜ぶこと すなわち それは 大先生の娘が活動することのために
Kちゃんは来てくれたのか と閉じていた側の窓が開いて
新しい空気が流れ込んできたような感じがした
ありがとうKちゃん
スーパーマリオのT-SHIRTを着た運動不足 ゲームオタクに見える
九才位の男の子が 父親を従えて「日本 日本」と入ってきた
父親が何か説明しようとすると「お父さん 知らないことは黙っていてよ」
という感じ
日本のキャンディをあげようとすると大喜び
「まずは お父さんにあげなさい」と言うと
父親は「いや 私は食べない」と言うので
「こういう時 子供が 何か差し出したら 受け取らないといけない」
とお説教をする
自分の趣味より その場で どう自分の子供を育てるのか
ではないかしらん
展示会場で デモンストレーションをするものと思っていたら
教会の祭壇の上で ということになり
開始時間二十分前になって急遽紙を大きく貼る
後ろから映すカメラがないので 書いたものを
女性軍に持ってかわいらしく通路を歩いてもらった
領事館のジョアンナさんが まずバーンズの詩を読み
私が書き 歩く間 もう一度 読み上げてくださる
普段の英語と違う もの悲しいような 重い発音に
スコットランドにいるのだと思う
7月13日
震災への援助に対する礼に続き
スピーチを1971年 誠次さんと エジンバラを通りセント・アンドリューズに
行った話から始める
ハンディ7だった誠次さんは あこがれのセント・アンドリューズでのゴルフで
強い風 背の高い草だらけのコースに 持参したボールを全てなくして
一緒に廻った 現地の人に ボールをあげましょうと言われたことが悲しくて
ハーフで早々に切り上げ ロンドンに帰ってしまったと話していたら
当時のことが思われて 涙声になってしまった
こちらの知人が 後から 舞台に上がって
あなたを抱きしめてあげたかったと言って下さった
7月13日
裕美ちゃん活躍
太田で神社の巫女さんをしている裕美ちゃんはおじいさんの代から
天心書道会で一緒に書の勉強をしている
仕事のお陰で横笛や篳篥を演奏できる
田良原総領事館に オープニングセレモニーの開始に
二曲披露するようにと依頼をいただきこれがセントジョンズ教会堂での晴れ姿
それに先立ち 教会中庭で練習したが 目の先の丘にはエジンバラ城 周囲には
昔からの多くのお墓
歴史は多くの戦いに明け暮れなければならなかった人々の様子を伝えている
日本独特の音色と調べで空気をなだらかに浄化している感があった
はるかさんと私は 早くにトム会場へ
昨日 男性三人に実際を任せた飾り付けを確認に
教会に戻ると殆ど準備は整い はるかさんの旦那様が
私達が 会場の片側に寄せるだけにしておこうと言っていた
数多くの椅子を 見えないところに全部移して下さっていた
折角準備を終えようとしていたところ 少しづつ作品の間隔を
つめたり 高さを変えていったりする
心の中で申し訳ない と思っても 指摘される通りに直すと
見る間に会場が引き締まるのが解る
手伝って下さる方達はベテランで やるだけのことはあると
承知している人ばかりなので 全く誰もイヤな顔一つしない
何と素晴らしい皆さんなのでしょう
エジンバラの人たちが その手際の良さ
人の良さを ほめること ほめること
※写真はトム会場 軸を掛ける準備をするはるかさんの勇姿
トム会場
7月11日
成田で朝御飯をいただき、やっと人ごこちがついたところ
食物に敏感に反応する身体なので元気はないと時は空腹な時と単純明快
太田も両国も留守は任せてと言ってくださる方たちのお陰で
安心して旅に出られるのは大きい幸せと思っている
今回のエジンバラは2箇所で同時に展覧会を開催することになり
デモンストレーションもあったりで 一緒にいらして下さる七人の方達に
分けて荷物を持っていただいていなければどうにもならない
エジンバラの領事館の方に 準備は整いました
後は現地 エジンバラ域で壁の一部か宝石を入手して文鎮にするだけです
とメールを差しあげたら
宝石とまいりませんが 海辺に行って出来るだけ美しい石を拾ってまいりました
とお返事をいただいたデモンストレーションの時 紙に乗った
海辺の石を見たらどんな気持ちになるかしら
今回は バーンズの詩四隅に それぞれの 風を書く予定です行ってきます
六日太田に帰ってから ビデオの早回し 2段階目くらいの身の動きが続き 小走りに会場と家を行ったり来たりしていたが 転ぶこともなく 皆で楽しく お天気にも恵まれ 八日 九日 の書初展を終了することができた。バンザイ
専門家数人に東京から来ていただくが その他のことはすべて太田の小人数のメンバーで行うので 皆の気持ちの持ち方、有能さが何よりの宝物
今年は 37人 書譜 8人 十七帖 の臨書が 主だったので 会場に統一感があり その中で いつもに増して一人ひとりの個性、性格、習い方 の違いがよく現れて興味深かった。
それは良い悪いではなく 違ったひとりひとり それぞれの 道の進み方の違いにすぎず 早く上手に見えるようになる人もいれば 長い時が過ぎてからある日突然 美しい蝶になる人も、、、ただ 良いものさえ勉強していれば大丈夫 と 私は長い経験から 実感 納得しているので安心している。