大和JHでデモンストレーション
素晴らしいお天気に恵まれ、もう一度ダブコテッジへ。
時間が経つにつれ見学者が増えてくる。
受付で「日本とワーズワースの関係が強いようだがどうしてか?」と聞いている人がいる。
たまたま傍らに私がいたので「学校で英文学を習う人達が多かったからよ」と答える。
すぐに役立つ学習がもてはやされているが年をとってのんびりした人生を過すのには一般教養的なものを学ぶことが、若い時はおもしろくもなく聞き流してしまうにしても、受け皿を広げておくという点ではとても役立つのではないか と考えるようになった。
今年の受講生の方達が「ベストティーチャー」という刺繍のしおりを他のプレゼントと共に下さった。
がまん強い先生に私達から一人千回のお礼を申し上げます とカードに書いてある。
三人の男性の内 初めて参加したB氏は空軍のエリートだったとかで眼光鋭く整理の仕方、神経の集中の仕方が違う。
一週間で自分の気持を述べる この作品が書けるまでになりました。
又 やってしまった
(ワーズワース美術館でのワークショップの時のこと)
「水仙」の詩の朗読を背景に「花」を書こうと思い、その場で本を探すのは大変なので売店でおみやげ用フキンにその詩が印刷してあるのを用意。
「誰か読んで下さい」と頼んだところ 古手の力のありそうな女性が館長さんに「お読みになったら?」と勧めるので思わず「あなたそれは意地悪よ」と言ってしまった。でもまた彼女が「あなたなさいよ」と言い館長さんも少しも嫌がらず 私が彼の目の前に両手で広げるフキンを見るやら見ないやらで堂々と朗読をされた。
聞き惚れるというのはこういうことか と 余韻を楽しみながら 淡墨で「花」を書く。
「まさか ピリッと スーツを着こなしたワーズワース美術館の館長さんがお歴々の前でフキンを見ながら 一番有名な【水仙】を朗読する姿を見るとは思わなかった」とこちらの人々は涙をこぼして笑い転げその話が広まった。
「悳子 あなただから自然に その場を盛り上げ 皆楽しめたのだよ あなただから・・・」と言って笑っている。
困ったものです。
空海は「書は国に合わせて書く」と言ったそうだが、
昔 絵画で見ていた通りの中国の景色をマーラーの曲にのせた
サントリーの宣伝で見た時は「本当にある風景だったのだ」と
驚いたものだった
今日 目に前に広がっているのは やさしい 掴みどころのない様な
水彩画そのものの情景
この自然を求め優雅な退職者達が居を構えるという
ハイアムホールの受講者からは学ぶことが大変多く 助けられている
日本の絵を色々思い受かべるが 現代の日本画の顔料の使い方も
我等の国情 心情なのかも知れないなと
ワーズワース美術館でのワークショップ III
準備段階で 人は私が書くところを見たいのだ と言われ
「花」という字を四人の女性として書く
1.妻 2.妹ドロシー 3.早世した娘 4.仏に残した女性
そして代表作「水仙」の詩を館長さんに朗読していただいてその空気に酔いながら「花」をもう一点書く
何という贅沢な時を私は持てたのか
夕食の席で 館長さんの朗読は北部独特の発声 発音とあいまり 大変素晴らしいものだった という声がしきり
ワーズワース美術館でのワークショップ II
ワーズワース美術館で展覧会をするにあたり 最初は簡単に 一つの長い詩の中から字を選んで 歩きながら 詩にそって書を楽しんでいただこうと考えていたのだが 日本で周囲の多くの人達が ワーズワースの自然に対する姿勢を好み 詩 そのものを愛していることに気付き 自分の安易な考えを猛反省したことを語る
九十数才の女性が スラスラと「虹」を暗唱
八十才代の女性が卒論に選んだワーズワースの私生活を私の作品作りのヒントとして教えて下さった等という事実を告げると 皆さん驚くばかり
写真はワーズワースが使っていたという机です
ワーズワース美術館でのワークショップ I
館長さんが「非常ベルの様な音がすると思って出てきたら かわいい女の子達が 一人は笛を吹き 一人は お茶を点てていたので ビックリ仰天した」と再会の握手をしながら私と二人で笑いが止まらなくなる
形式やムード作りから入るのが好きではないので 今迄何もこの様なことをしたことがないが身内で 飾らずにやるのは なかなか良いものだ と思う
二人は 何か自分達で出来ることをと 自発的に用意をして来てかわいいといったらない
感じるのは現場の人達の即決力「聞いてない 物がない」等と一切言わずテキパキと片付けるのは気持ちが良い
30分開始時間が遅くなっていたことを私に知らせていなかったのは「これがイギリス式」らしい
お陰で全員 ダブコテージ内部ツアー ジンジャーブレッド買物等楽しむ時間が出来て喜ぶ
今年は空海の風信帖を学ぶことに。 幸い ロスアンジェルスの偉いお坊さんが書かれた88ケ所の紹介の本を明子さんにいただいてあるので 皆さんに読んでいただける。 去年までの 源氏 や 枕 とは大分違う世界です。
16日夜からイギリス湖水地方ハイアムホールでの書のクラスが今年も始まる。
15日、英国入国検査で二時間待ち。
一人の時はチェリストの旅を思っては私、がんばる、と考えていたが
今回は総勢六名でのんびりと楽しい。
16日今夕からハイアムホールでの講座が始まる。
写真は毎年、「ハイアム オブ ジ イヤー」として一つずつ買うことにしている動物。’11版です。
ハリエットさんが無理やり入手した二階最前列で 空騒ぎ を見る。
途中で雷 大雨 止んで 又雨 だったが一階立ち見の人達はさほど驚きもせず かっぱを着たりショールを二人で被ったりするだけで 帰る人はいなかった。
感心するのは持っている傘を開いたが皆それを閉じて見ていたこと。
藁屋根のひさしから 場所によっては壊れた雨樋の下のような流れ方をしていたのに
避けようともしないで飲み物片手の人もあった。
何かが違う 強さ 荒さ ある種の鈍感さなのに 大雨の下持っている傘をささない。
飛行機の通り道にもなっているようだが 穴あき天井 観客も役割もぬれながらしばいの場にいる。
桟敷の人々は一体になって芝居を動かす立ち見の人々の様子を起爆剤にして より楽しむことができる。
この何とも言えない 歌舞伎座の三階や立ち見の人々の観る力で盛り上がるのと同じことだと思う。 ハリエットさんに言わせると 年齢が上の人が集まる劇場とは全く違っていると驚いていた。
子供学生もたくさんいて自分たちが応援すると筋が変わると思っているような入れ込みかたが昔を思わせ新鮮だった。
ハリエットさんが今回の展覧会準備を助けて下さった方々を夕食に招いて下さった。
お手伝いのエルシー自慢の鮭の料理。
ワイン三本半をドボドボと入れ香草で蒸したもの。
かけるサルサも美味しく50センチほどの身がアッという間に消える。
写真は使ったナイフとフォークです。
配達を待てず30キロも離れたところ迄パンフレットとTシャツを取りに行ったおとなしいコリンさんがイギリスの荷物受け取りや関税の方法に怒ってジェニーさんに電話をかけてきた。
肝心のバナーは3時過ぎにやっと届く。
だが 又しても私が運んできた という晴天の下、キャンプ準備のような楽しさで
高い枝にロープを投げ 縄のように引っ掛け下に丸太を運んで張り
ドアをゴシゴシ掃除して と 美術館主任 シェイクスピアの劇に出てくるような作業員二人組
コリン ジェニー 何でも出来る二人の日本人と喜んでいるだけの私でアッという間に
周囲の自然に溶け込んだ展示が出来てしまった。
ジェニーさんが飲み物を用意しようとした時 余りに全員が勝手なことを言うので
メモを持って注文取りのやり直しをしたのが本当に嬉しい姿として目に焼き付いている。
例のでこぼこコンビの一人が とても濃いお茶、ほんの少しの砂糖
ちょっと待ってそれにチョッとのミルク と言った顔も忘れられない。
皆さんありがとうございました。
飾りつけを前に関係者で夕食会 この写真に三人入っていない方がメールでけんけんがくがくやり合っていたがゆっくり食事をしながら話していると 同じ目的の為どうにかしようと一体感が生まれ大変良い効果をもたらしてくれた。
昨夕 ハイアムホールはオペラの夕でそのプログラムの前に夕食をという着飾った人達で満杯。
親切なアレックスが個室を用意してくれたので かえって好都合だった。
なんという運の良さ!分からず屋 悳パンチだ!と騒いでいた相手も大変打ち解け僕たちは5時にさよならする人達ではないちゃんと出来るまでどうやっても頑張る。とあちらから言い出し 私は作品展示用木登りもしないで済みそうです。
ではまた続きを。
ポスター チラシ ハガキ シャツ 大いに感激される。
税関 配達の辺りがこの国の弱点ね。日本の弱点は何かしら?