その二  バカ息子

2012.5.24

国立劇場 文楽 三題
その二  バカ息子

“今頃は半七っあん どこにどうしてござろうぞ、、、”という有名なせりふは知っていても 酒屋 の舞台は歌舞伎でも今迄見たことがなかった

子供まである恋人との間を認められず 嫁お園をほったらかしにしたままで殺人者になってしまった半七

息子が捕われるのを少しでも延ばそうと縄を代わりに受けた父

“半七が好きだ”という我が娘お園の心こそ尊重されるべきものだ と気づきそれまでの お園は渡せない という自我を折る父親

登場人物全員が相手を大切に思う気持ちが舞台上に渦巻く

原因はバカ息子

その彼も全員に愛されている

悲しく暖かく身に透みるせりふが多い

小さい棘のような困った出来事一つ一つに対するああだこうだの反応でなく根本に大きな心が存在する良く出来た話だと感心した

その一  東京の国立劇場は素晴らしい!

2012.5.24

国立劇場 文楽 三題 
その一  東京の国立劇場は素晴らしい!

休憩時間 相向かいの席の男性が コンビニサラダパックの包装を開けられず二度ほど手伝う

自分が食後ゴミ箱に入れた袋にお財布が入っていた と気づいて”軽かったから仕方がないのだ”とあきらめながら途中の駅から電話をすると ちゃんと保管されていた エライ!

感謝して 翌日受け取りに行き 劇場前を歩いていたら 帝国ホテル セゾンの料理長V氏が自転車に乗っているのに出会う

早速 たった今手に入れたお財布を見せながらその話をすると びっくりして ”エーッ! ゴミ箱から見つけたの? 日本だなあ 日本以外ではあり得ないことだよ 良かった良かった 又僕のところに食事に来てね” とニコニコしていらした

同窓会

2012.5.22

5月22日  同窓会

三井ビルの中で足利女子高の同窓会

太田から隣の県の試験を受け 誰も知った人のいない足女に入った途端 ’お勉強’ の枷が外れ 親も子ものんびりと好きなことを続けることが出来るようになり楽しい三年間を過ごした

この年から入学試験の成績順でひとクラスを作り三年持ちあげ、入学の日から課外授業という 今の平等病の人たちからは大きな批判を浴びるに違いない仕組ができた

同じ市内の人たちは全員ライバルという感じだったがその点私は気楽なものだった

二年から週一回赤坂の水戸幸ビルや 出来た時は一流だったホテルニュージャパン 等に書を習いに通った

同じお授業に出る回数が減ることになったのにもかかわらず先生はそれなりのお点を下さった

のんびりした時代だったのだと思う

学内で孤立した感じのクラスは三年になるころから急にまとまりを見せ柔らかい雰囲気になり 今に続いている

5月22日  

私でも恥ずかしい

2012.5.18

アレックス夫妻のおみやげ 王室御用マーク入りの傘を 荒れ模様の天気予報を聞いて 用意

大風と雨は幸い屋内にいた時過ぎて行ったが その後 強い日差しに 開いてビックリ 思わず深く 顔を中に隠して歩くことになった。

5月18日 

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東京一日観光

2012.5.16

イギリスで財をなした人や引退した人たちがよい景色の中でゆったりとした後半人生を過ごすために移り住む という湖水地方

Higham Hall カレッジの建物の周囲にも緑と水のなかに羊しかいない 

知的水準が高く年輩の割には元気いっぱい 興味津津のグループに対して3人の気が働く知人とマイクロバスを準備

そして 団扇四本

就職が決まったKちゃんに明治神宮について車内で説明してもらう

六本木ヒルズ 日本橋 三越、稲荷町の東京松屋さんで準備して下さったお稲荷さんとタイ焼きが大好評、江戸唐紙に感激した後浅草でゆっくりする というコースは 素晴らしいお天気の中でめでたく終了となりました

三越の天女が良い集合場所となり たまたま染色展覧会をやっていたこともあり全員が満足するものが館内にあり 成功 

団扇を振りかざしながら大声で1670年からのお店と説明したのが強い印象を与えたらしい

日本の歴史が外国においての我らの強い味方 私たちが唯一持っている武器 ということを長年実感している。

5月16日 

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ハイアムホール カレッジの皆さんと

2012.5.13

イギリス湖水地方のハイアムホール カレッジの関係者13人を一日京都観光に
私は仁和寺を訪れるのは初めて
平経正が琵琶の名器青山を法親王に返しに来たのがここなのだ と感激を新たにした。
宿坊に泊まった皆は 朝6時の御勤めに参加したとか
次に訪ねた金閣寺で 今まで安易で美しくない姿 と思っていた 折畳み傘を旗代わりに目印として掲げて歩くガイドさんと同じことをしている自分に気づく
興味を持つところでバラバラに立ち止まってしまう人達をまとめて歩くのはなかなか大変で 私の大声が役に立つ
二年前お孫さんがハイアムホールに滞在したので大仙院のご家族が歓待してくださる
大和尚様もとてもお元気で嬉しい
写真は 皆一緒に   5月12日

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疲れました  疲れました

2012.5.8

“ハイアムホールの皆さんがさっきから待っていますよ。早く行ってあげてください。”と旅行関係者の方に言われ あわてて鉄製階段を雨の中あがっていたら 急な風に持っていた手提げからいろいろなものが飛び散って ”ああどうしよう ああどうしよう”  
でも 頭の中で 大事な展覧会用作品候補は 確かナイロンの袋に入っていたから最悪の状態にはなっていない と思っている
この詳しく長い夢で 一挙に疲れが出てしまった今朝の寝覚めでした。明日何か元気の出る美味しいものをいただかなくては
写真は今年の牡丹です。
5月8日

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しだれ桜

2012.4.16

太田に戻る前に足利のしだれ桜を

低い山を背景に 建てた頃はきれいと思っていたであろうペンキのあせた家々を空想で除いてしまえば日本画の題材そのまま

木造家屋なら廃屋でも 又 石垣等なら違和感はないのだろうけれど

あこがれの 文化住宅 というのが曲者だったのだ

4月16日  

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オール学習院

2012.4.15

太田でのクラスをお願いして何年ぶりかで午前中の小山観翁先生の講演会に出席

足元は弱っていらっしゃるが頭脳明晰で興味深い話が次々と

仮名手本と元禄と二種の忠臣蔵があるが 歌舞伎入門の人はそのどちらが好きかで長いファンになるかどうかが解る とおっしゃる。

解ります 解ります このお話

学生時代 先生が ”芝居の中で不合理なことがたくさん起こるが どうして?” とクラブの師匠をお願いしていた役者さんに伺うと ”何事も そこが芝居でさあ” と言われるのが常だったとのこと 

“大切なのは ’芸’ を見ることなのだ” と 小山先生に教えていただく。

手っとり早い成果を求める コセコセした手合いには理解できない オバカな世界なのかも知れない

4月15日  

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新日本フィルの定期演奏会

2012.4.13

トリフォニーでの年間座席は例年前なので楽団員の方たちの表情を見るのを楽しんでいるが 今日は舞台全体が曲に合わせ波打っている様子が新鮮に見えた。

演奏者が大柄で手の中の楽器がおもちゃのように見える。

弾く合間合間にヴァイオリンを裏返したり 眼でいとおしんでいるようだったが 後でパンフレットでそれが1676年製のものと知る。

4月13日  

法印問答

2012.4.13

平清盛が子重盛に先立たれた悲しみを 後白河法皇がないがしろにしたと憤る場面

悲しみ 怒りを一つ一つ投げかける聞かせどころ

原典そのままに演じても役者さんによって違うのが それを聞く人の楽しみ

以前映画の中の第九に友人も私も それまでなかったような感激を覚えたことを物の解った方に言うと

“先生 それは 耳が良いのです。 歴史に残る名演をその映画に入れたのです。” という返事が返ってきたことを思い出す。

4月13日  

素晴らしい表具の作品

2012.4.13

東京松屋さんが 現代の紙表装の最高 という表具をして私の作品をリッツカールトン45階 禄 店へ数点納めて下さった。

皆さまどうぞお近くにいらっしゃいましたらお立ち寄りくださいまし

4月13日  

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川内優輝選手激励会

2012.4.8

学習院大学の入学式当日だったので 校内には嬉しい顔が一杯

桜も七分咲きでぴったり

陸上部 埼玉桜友会 の方が開いた会

入学式が八つで大忙し と院長先生 学長先生はおっしゃりながら お疲れのところ ずっと 会場にいらして下さる。

川内選手は 20キロマラソンを走った後 すぐ帰ると学習院は と言われるといけないので 質問に答えていたら少し遅れた とか 早口でたくさんのことを よどみなくスピーチする。 スッキリしたとても良い感じの青年。

集まった年上の人たちの方が 激励していただいた感 あり

 4月8日

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ウクライナ大使ご夫妻に招待され王子ホールへ

2012.4.7

聞きながらずっと 周囲で亡くなられた方たちのことを想っていた。説得力があり 今までで一番心に浸み入るアヴェ マリア だった。

久しぶりにオレナさんにお会いできて嬉しかった。

前にも書いたかもしれないが オレナさんが初めて書のクラスにいらした時 昭憲皇太后さまの 筆写人心 という御歌 ”ひとくだり かきたる筆の あとにさへ みゆるは人の こころなりけり”

に感銘を受け 書を習いたいと思った と伺い 驚ろき 何と良い方にお目にかかることが出来たのだろうと思ったことを思い出す。

写真は ウクライナ 日本 友好交流コンサート  ヴィクトリア ルキアネッツ ソプラノ リサイタル での アンコール曲目です。

4月7日 

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新内  紀尾井ホール

2012.3.28

文化庁補助事業 新内若手伝承者育成研修発表会

富士松小照先生と人間国宝鶴賀若狭掾の間に三人の若手

本物になる途の遠さ

“その声”を出す、出し続けて一曲を語ることは難しいことなのだ と実感

歌謡曲 唱歌風が混じってしまう人もあれば 自分の技に溺れそうだと思われる人もいる。

さて 自分の方を振り返れば 

勉強する と 習う ということの違いに気づくのもその人の持って生まれた能力 と突き放してはいけないのだ と思いながら やるせなくなる  

こともある。

※写真は4月9日太田の庭古い幹に元気な花が

3月28日  

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